梅雨の時期を迎え、忘れ物の傘を自動販売機の横に備え付けて無料で貸し出すサービスが、8日から東京都内などで始まりました。
このサービスは、大手飲料メーカーのダイドードリンコが8日から、東京など関東地方の1都5県と愛知県に設置している自動販売機、合わせて40台で始めました。無料で貸し出す傘の多くは駅や列車などに利用者が置き忘れたもので、自動販売機の側面に7本、備え付けられています。
今回のサービスは東急電鉄など鉄道会社3社の協力で実現したもので、2週間を過ぎても引き取り手が現れなかった傘などを飲料メーカーが買い取ったり譲り受けたりしたもので、今月中に210台に増やすことにしています。
今回、傘を提供した鉄道会社3社では、傘の忘れ物が合わせて年間10数万本にも上るということで、東急の担当者は、「置き忘れの傘は、全体の2割ほどしか返却できていないのが実態で、残りは処分していた。必要な人に使ってもらえればと思い、今回の取り組みに協力した」と話していました。
この飲料メーカーでは、すでに関西地方で同じサービスを行い好評を得ているということで、ダイドードリンコの梅垣真哉さんは、「自動販売機は飲み物を販売するだけだったが、傘を通じて地域の役に立つことで商品購入のきっかけになれば」と話していました。
-- NHK NEWS WEB