新入社員だった女性が過労のため自殺した大手広告会社の電通で、働いた時間の一部を「自己啓発」に充てたなどと社員が申告し、残業時間を意図的に減らすケースがあったことが複数の社員への取材でわかりました。厚生労働省は労務管理に問題がなかったか調査を進めています。
電通によりますと、電通では社員が出入りするゲートなどで出退勤の時間を記録していますが、社員は休憩や私的な用事など業務以外に使った時間を上司に申告し、勤務時間から差し引いています。
しかし電通の複数の社員によりますと、実際には働いていた時間についても一部を「自己啓発」に充てたなどと申告して、残業時間を意図的に減らすことがあったということです。
残業時間が、労働組合と取り決めた協定の上限を超えないようにするケースのほか、部署によっては残業時間をあまりつけないよう指導されていたため、減らしていたということです。
NHKの取材に応じた社員の1人は「残業時間を協定で決められた時間内に抑えろということはたびたび言われていたが、残業が多い人だと確実にそれ以上働いているし、私自身、上限を超えたことがある」と話します。そのうえで、「限られた時間で多くの仕事をやることが評価につながるので、残業時間を減らすことは往々にして行われていた」と話していました。
厚生労働省は残業時間の過少申告が常態化するなど、労務管理に問題がなかったか調査を進めています。電通は一連の問題を受けて、私的な理由で社員が社内に残ることを禁止する一方、業務上必要な「自己啓発」などは上司の承認を得たうえで勤務扱いにすると改めています。
-- NHK NEWS WEB