大手機械メーカーの三菱重工業は、納入時期が5回にわたって延期されている国産初のジェット旅客機・MRJを、パリ近郊で開かれる世界有数の航空ショーで初めて展示し、開発を着実に進めている姿勢をアピールしたい考えです。
MRJは、およそ半世紀ぶりの国産旅客機として日本やアメリカなどの航空会社から477機の受注を獲得する一方、主要な部品の設計の見直しが必要になり、ことし1月、5回目となる納入時期の延期が発表され、2020年半ばにずれ込んでいます。
こうした中、三菱重工業は、19日からパリ近郊で始まる世界有数の航空ショーに初めてMRJの機体を展示することになり、それに先立ち18日、メディアに機体を公開しました。
公開されたのは、アメリカで試験飛行を行っている機体を、量産型の最初の納入先となる全日空の機種のデザインに塗装したものです。
三菱重工としては、航空ショーの期間中、多くの関係者に機体の内部も披露して開発を着実に進めている姿勢をアピールし、納入時期の遅れに対する不安を払拭(ふっしょく)したい考えです。
三菱重工の宮永俊一社長は「国際基準の中で完成させていくことについて知見が足りなかったが、試行錯誤しながらも一歩ずつ解決してきた。かなりの完成度まできていることを見てもらうことで、よい方向に進み始めるのではと信じている」と話していました。
-- NHK NEWS WEB