福島第一原発事故の除染事業で、準大手ゼネコンの安藤ハザマが作業員の宿泊費を水増しした領収書を自治体に提出していた問題で、東京地検特捜部は詐欺の疑いで、安藤ハザマの本社を捜索し、強制捜査に乗り出しました。
この問題は東京、港区の準大手ゼネコン、安藤ハザマが平成24年と翌年に、福島県内の2つの自治体で行われた除染事業で、作業員の宿泊費を水増しして自治体に請求した疑いが指摘されているものです。
安藤ハザマは今月9日、野村俊明社長が記者会見し、実際の宿泊費は1泊5000円だったのに、いわき市の事業では7500円、田村市の事業では5500円と領収書を改ざんしたり、宿泊した人数も、およそ9000人分水増ししたりするよう下請け会社に指示していたことを認め、実際に不正な受給があったのか引き続き、調査するとしています。
これについて、東京地検特捜部は19日、領収書が水増しされたいきさつを解明するため、詐欺の疑いで、安藤ハザマの本社を捜索し、強制捜査に乗り出しました。
特捜部は今後、押収した資料を分析するとともに、関係者からも事情を聴いて、領収書の改ざんを指示したいきさつや、実際に不正受給があったのかどうか解明を進めるものと見られます。
-- NHK NEWS WEB