日本製の靴やバッグなどの模倣品が大量に出回る東南アジアで、JETRO=日本貿易振興機構は、タイの税関職員などを対象に、本物と模倣品の違いを見極める方法を伝えるセミナーを開きました。
このセミナーは模倣品の被害を減らそうと、JETROと経済産業省がタイの当局と合同で開いたもので、バンコクの会場には、現場で取締りにあたる税関や警察の職員などおよそ100人が集まりました。
会場には11の日本企業がブースを設け、タイでも人気の有名ブランドのバッグや、ランニングシューズなどの本物と模倣品がそれぞれ並べられました。
JETROの担当者によりますと、タイで販売される模倣品の多くは中国製で、ラオスやカンボジアなどを経由し陸路で運び込まれるため、摘発が難しいということです。また、最近は、今回展示された靴やバッグなど高価格の模倣品が増えているのが特徴で、技術力の向上により、タイでの生産も活発になっているということです。
このため、日本側は、こうした取り組みでタイの当局の摘発能力を向上させたい考えで、JETROバンコク事務所の三又裕生所長は「タイがしっかり取締りをすることが、中国を含むアジア全体の模倣品被害を減らしていく上で要になる」と話していました。
-- NHK NEWS WEB