17日、静岡県の伊豆半島沖で、アメリカ海軍のイージス駆逐艦とコンテナ船が衝突した事故で、海上保安部は、海上での事故を防止する法律に基づき、どちらの船に衝突を回避する義務があったのか、コンテナ船の乗組員から事情を聞くとともに、アメリカ側と協議しながら事故原因の解明を進めることにしています。
17日午前1時半ごろ、静岡県南伊豆町の石廊崎から、およそ20キロ沖合で、アメリカ海軍横須賀基地に配備されているイージス駆逐艦、フィッツジェラルドと、フィリピン船籍のコンテナ船が衝突し、イージス艦の乗組員7人が死亡し、艦長ら3人がけがをしました。
海上保安部は、国の運輸安全委員会とともに、コンテナ船の立ち入り調査を進めていて、19日も、船の破損状況を調べるとともに、乗組員などから事情を聞いています。
コンテナ船は船首の左側に衝突した痕や亀裂があり、乗組員は船をチャーターしていた会社に「アメリカ軍の艦艇と同じ方向に航行していて衝突した」と話しているということです。
一方、イージス艦は右の側面が激しく壊れ、船底付近には大きな穴が開き、乗組員の居住スペースや機械室などが浸水したということで、アメリカ海軍第7艦隊の司令官は「船体の横からコンテナ船が突っ込んできたように見える。船体に開いた穴から大きな衝撃を受けたことがわかる」と説明しています。
今回の事故では、船舶の衝突を防ぐための法律に基づき、どちら側に衝突を回避する義務があったのか明らかにする必要があります。海上保安部は、コンテナ船の調査を行うとともに、アメリカ側と協議しながら、イージス艦の破損状況などの情報提供を受けて、事故原因の解明を進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB