アメリカのトランプ大統領が、関係改善に向けた対キューバ政策を見直し一部の規制を強化すると発表したことについて、キューバの外相は19日、「両国関係を悪化させる決定で、時代錯誤だ」と述べて強く非難しました。
アメリカのトランプ大統領は16日の演説で、オバマ前大統領の進めてきたキューバとの関係改善を「国民を苦しめてきたカストロ政権を裕福にしただけだ」と批判し、両国の国交は維持するものの対キューバ政策を見直して、キューバ軍と関係がある企業との商取り引きやアメリカ人のキューバ渡航など一部の規制を強化すると発表しました。
これについてキューバのロドリゲス外相は19日、訪問先のオーストリアで会見し、閣僚として公の場で初めてキューバ政府の見解を明らかにしました。
ロドリゲス外相は「両国関係を悪化させるだけではなく双方の国民にも悪影響を与えるもので、受け入れられない。キューバ政策の刷新でも創造的なものでもなく、時代錯誤な政治手法だ」とトランプ大統領の決定を強く非難しました。
そのうえで「われわれは両国間で解決されていない問題についてアメリカとの対話の継続を望んでいる。ただしそれはアメリカがキューバの主権を完全に尊重し対等な立場で行われるべきだ」と述べて、アメリカが科している経済制裁の解除を引き続き求めていくとともに、ことし9月の国連総会で国際社会に対して決定の不当性を訴えていく考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB