タイ政府は、国を南北に結ぶ長距離鉄道の計画について、中国製の車両や信号システムなどを導入し、ことし8月にも工事を始める方針を明らかにしました。
タイ政府は、国内の物流網を整備するため、タイ東北部のノンカイから首都バンコクなどを結ぶ長距離鉄道を整備する方針で、このうちおよそ250キロの区間について中国の技術を活用する方向で2国間の協議を進めていました。
これについて、20日記者会見したタイのアーコム運輸相は、両国の協議が合意に達しつつあるとしたうえで、日本円でおよそ5800億円をかけて、ことし8月にも工事を始める方針を明らかにしました。車両や信号システムなどは中国製を導入し、関連する工事は中国企業に依頼するということです。
アーコム運輸相は「タイにとって中国は重要なマーケットであり、中国もタイの港につながる鉄道網を確保できる。このプロジェクトは両国の利益になる」と述べ、鉄道建設の意義を強調しました。
中国は東南アジアへの物流網を確保するため、すでに南西部の昆明からラオスまでを結ぶ鉄道の建設に着手しています。それが、今回建設が始まるタイの鉄道とつながれば、将来的に中国から工業製品などの輸出が拡大することが予想され、中国が東南アジアでの影響力を強める動きとして注目されそうです。
-- NHK NEWS WEB