アメリカ政府は、北朝鮮に1年以上拘束された末、深刻な容体で帰国した大学生が死亡したことを受け、現在も北朝鮮に拘束されているアメリカ人3人を解放するよう要求するとともに、アメリカ人の北朝鮮への渡航の制限を検討していることを明らかにしました。
アメリカ人の大学生、オットー・ワームビア氏は北朝鮮で1年以上拘束された末、先週、深刻な容体でアメリカに帰国し、19日、死亡しました。
これを受け、国務省のナウアート報道官は20日の会見で、「北朝鮮に対して大学生を不当に監禁した責任をとらせる。不当に拘束されているほかの3人のすみやかな帰国を望む」と述べ現在も拘束されているアメリカ人3人を直ちに解放するよう北朝鮮に要求しました。また、「北朝鮮には行くべきではない」と述べ、アメリカ人が拘束されるのを防ぐため、北朝鮮への渡航の制限を検討していることを明らかにしました。
アメリカ人の北朝鮮への渡航を巡っては、拘束や北朝鮮の外貨稼ぎにつながりかねないとして、渡航を制限する法案が先月、議会下院に提出されています。
東部ニュージャージー州にある北朝鮮専門の旅行会社「ウリツアーズ」によりますと、この会社が主催する北朝鮮観光ツアーには毎年200人から400人のアメリカ人が参加するということで、この会社は現在、ツアーについて見直しを進めているとしています。
-- NHK NEWS WEB