北方領土の色丹島で、ロシアの企業が韓国の企業とともに港の新しい桟橋の工事を始め、ロシア側としては、日ロ両政府が共同経済活動の実現を目指すなかでも、第三国の企業とも協力を進めたい思惑があるものと見られます。
工事を始めたのは、ロシア極東のサハリンに本社があり、北方領土で水産業や建設業などを手がけるギドロストロイです。
この企業や関係者によりますと、今月上旬から、韓国の建設会社とともに、色丹島の港に新しい浮き桟橋を設置する工事を始めたということです。桟橋が完成すれば、これまでより大型の3000トン級の漁船が接岸できるということで、来月末までに完成させたいとしています。
日本政府は、北方領土での第三国の企業などによる経済活動について、到底受け入れられないという立場をとっています。
これについてサハリン州のコジェミャコ知事は、NHKの取材に対し、「あらゆる地域で開発のための投資が求められている。日本企業が外国投資の先駆者として島々に来ることを期待しているが、ずっと待ち続けることはできない」と話しています。
日ロ両政府は、北方領土での共同経済活動の実現に向けて今月下旬に共同で現地調査を行う予定で、ロシア側としては、こうした中でも、この地域の開発を重視する立場から、第三国の企業とも協力を進めたい思惑があるものと見られます。
-- NHK NEWS WEB