福島第一原発事故の除染事業をめぐり、準大手ゼネコン「安藤ハザマ」が宿泊費を水増し請求した疑いが持たれている事件で、会社の担当者が水増しする宿泊者の数や金額を月ごとに一覧表にまとめ下請け会社側に具体的に指示していたことが、NHKが入手した内部資料でわかりました。
東京・港区の準大手ゼネコン「安藤ハザマ」は平成24年と翌年に受注し、福島県内で行われた除染事業で、作業員の宿泊費の領収書をおよそ8000万円分水増ししていたことが明らかになり、東京地検特捜部は19日、詐欺の疑いで本社を捜索し捜査を進めています。
NHKが入手した内部資料によりますと「安藤ハザマ」の担当者が水増しする作業員の数や金額を月ごとに一覧表にまとめて下請け会社側にメールで送り、領収書を改ざんするよう具体的に指示していたことがわかりました。田村市の事業では実際には5600人余りだった8か月間の作業員の延べ人数を1万99人に、宿泊費を1泊5000円から5500円にそれぞれ修正し、合わせておよそ2900万円分を水増しする内容になっていて、下請け会社はこの一覧表を基に領収書を改ざんしていたということです。
関係者によりますと、一覧表を送った担当者は特捜部の任意の事情聴取に対し、「だまし取る意図はなかった」などと容疑を否認しているということで、特捜部は不透明な経理処理のいきさつについて解明を進めています。
-- NHK NEWS WEB