韓国北部で今月見つかった小型の無人機について韓国国防省は、飛行記録などから北朝鮮のものと確認されたと発表し、「明白な軍事的な挑発であり、強く糾弾する」として非難しました。
この小型無人機は今月9日に韓国北部の山中で見つかったもので、21日の記者会見で韓国国防省のムン・サンギュン(文尚均)報道官はこの無人機について、「飛行ルートなどを分析し、科学的な証拠から北朝鮮のものと確認した」と発表しました。
韓国国防省によりますと、飛行制御装置の記録やカメラの写真から、無人機は先月、北朝鮮の南東部を出発し、韓国南部で配備が進んでいるアメリカ軍の最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」などを撮影し、同じ場所に戻る途中で燃料不足でおよそ5時間半後に墜落したということです。
無人機は、3年前に韓国国内で見つかったものよりも燃料タンクやバッテリーの容量が増えていて、飛行距離が倍になっていたということです。
また、韓国軍の関係者によりますと、エンジンは当初、アメリカのメーカーのものと見られていましたが、最終的にチェコ製と分かったということです。
韓国国防省は「朝鮮戦争の休戦協定と南北不可侵の合意に違反する明白な軍事的な挑発であり、強く糾弾する」と非難したうえで、国連軍に調査を要請したほか、こうした小型の無人機を探知できる新型のレーダーの配備を進めるなど、対策を強化していると明らかにしました。
-- NHK NEWS WEB