和歌山市にある医薬品の原料メーカーが解熱鎮痛剤の主な成分となる製品に法律で定められた届け出をしないまま中国製の輸入品を混ぜて製薬会社に出荷していたことが、厚生労働省などの調査でわかりました。厚生労働省によりますと、今のところ健康被害などは確認されていないということです。
厚生労働省によりますと、和歌山市にある医薬品の原料メーカーの山本化学工業は、解熱鎮痛剤の主な成分となる「アセトアミノフェン」を製造していますが、自社で作った製品に中国製の輸入品を混ぜて製薬会社に出荷していたということです。
薬の製造方法や原料については、医薬品医療機器法で独立行政法人の医薬品医療機器総合機構=PMDAに届け出るよう定められていますが、山本化学工業は中国製の輸入品を混ぜることは届け出ていませんでした。
厚生労働省と和歌山県は先月、法律に違反する疑いがあるとして会社を立ち入り調査していました。
山本化学工業は厚生労働省に対し、「生産が追いつかず、数年前から中国製のものを全体の1割から2割程度混ぜていた」と説明しているということです。
これまでのところ、山本化学工業が使用していた中国製の輸入品に品質面で問題は見つかっておらず、健康被害も確認されていないということです。
厚生労働省などは、いつごろから中国製の輸入品を混ぜて出荷していたのかなど詳しい経緯を調べています。
山本化学工業は「現在はコメントできる状況にない」としています。
-- NHK NEWS WEB