日本とEU=ヨーロッパ連合のEPA=経済連携協定の交渉は、来週にも山本農林水産大臣とEUの農業担当委員が会談する方向になるなど、早期の大枠合意を目指して、焦点となっている農産物の関税の取り扱いなどをめぐって閣僚レベルで進展が図られる見通しになっています。
日本とEUのEPA交渉は、今週から首席交渉官による非公式会合が行われ、これまでに合わせて27の交渉分野のうち、およそ20の分野がほぼまとまったということです。
一方で、焦点となっている農産物の関税を巡っては、日本側が示している「チーズ」の一部品目で29.8%の関税を将来的に撤廃することや、「ボトルワイン」で1リットル当たり最大125円の関税を段階的に撤廃するなどの内容に対して、EU側は品目の拡大や即時の撤廃などを求めて事務レベルでの調整が続いています。
こうした中、山本農林水産大臣が今月27日にも、EU本部のあるベルギーのブリュッセルで農業政策を担当するホーガン委員と会談する方向で調整が進められています。
さらに、農産物などの関税の分野のほかにも、国内の市町村の公共事業や、一部の鉄道会社が行う入札に、EU域内の企業の参入を拡大するかについては双方の主張に隔たりがあり、交渉が続いています。
交渉全体について、岸田外務大臣は20日記者団に対し、「大枠合意は手の届くところまで来ている」と述べ、日本とEUは、早期の大枠合意を目指して、来月開かれるG20サミットの前後に首脳会談を行うことも念頭に、閣僚レベルで進展が図られる見通しになっています。
-- NHK NEWS WEB