人口減少で国内市場の縮小が懸念されるなか、食品メーカーの「永谷園ホールディングス」は官民ファンドの「産業革新機構」と共同で世界有数のフリーズドライ食品会社を傘下に持つイギリス企業を買収し、海外展開を強化することになりました。
食品メーカー「永谷園ホールディングス」は官民ファンドの「産業革新機構」と共同で、世界有数のフリーズドライ食品会社を傘下に持つイギリス企業「ブルームコ」を買収すると発表しました。買収金額は日本円でおよそ150億円で、株式の60%を永谷園が、40%を機構が出資します。
永谷園は、急速に凍結させ真空乾燥するフリーズドライで加工したみそ汁やお茶漬けなどの商品が強みですが、今は日本での販売がほとんどで、人口減少による国内市場の縮小が懸念される中、海外展開の出遅れが課題となっていました。
このため今回の買収で、イギリス企業が得意とする果物などをフリーズドライで加工する技術を取り込んで、日本の農産物や海外のスープ料理の加工・商品化をめざします。また、この企業がイギリスやアメリカ、中国などに持つ、製造・販売網を活用して、海外展開の強化を図りたいとしています。
記者会見で永谷園ホールディングスの五十嵐仁常務取締役は「和食、お茶漬けで国内で市場を広げてきたが、さらなる成長には得意ではない海外市場に対応していかなければならない」と話していました。
また、産業革新機構の新居英一ディレクターは「フリーズドライ食品になることで、日本の食材が海外に広がる可能性があり、しっかりサポートしていきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB