日本郵政は22日に株主総会を開き、買収した海外企業の業績悪化の影響で、昨年度、民営化後初めて最終赤字に転落したことを株主に陳謝しました。
日本郵政の株主総会は、横浜市港北区の横浜アリーナで午前10時から始まり、およそ870人の株主が出席しました。
日本郵政は、おととし、オーストラリアの物流最大手「トール・ホールディングス」をおよそ6200億円で買収しましたが、この会社の業績が悪化した影響で、昨年度は平成19年の郵政民営化後初めて最終赤字に転落しました。
株主総会で、長門正貢社長は「経営陣一同、大変重く受け止めている。株主の皆様にはご心配をおかけし、大変申し訳ない」と陳謝しました。
また、収益力を高めるため、野村不動産ホールディングスを買収する方向で筆頭株主の会社と進めていた交渉を中止した件については、「現時点では検討を行っている事実はない。不動産事業は、今後、事業の柱として育てていきたい」と述べるにとどまりました。
株主からは、「手紙離れが進む中で、どうやって手紙を書く人を増やしていくのか」という質問や、「企業価値の向上にむけた具体的な施策を示してほしい」といった意見が出されました。
出席した70代の男性は「トール社の買収をめぐり大きな損失を出したことについて、経営陣はもう少し反省があってもよいのではと思う」と話し、60代の男性は「全国に郵便局などの資産を持っているのだから、それを生かすような施策を打ち出してほしい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB