イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱交渉が進む中、日本の金融機関の間では、EU域内での事業に影響が出るのを避けるため、ロンドン以外の都市にも新たな拠点を設ける動きが広がっています。
このうち、証券大手の「大和証券グループ本社」はロンドンに加えて、ドイツのフランクフルトにも新たに拠点を設けることを22日に正式に発表しました。新しい拠点には株式や債券の販売担当など20人程度を置いて、ロンドンに集中しているEU域内の業務を分散します。
EUには1つの加盟国で認可を得れば、ほかの国でも事業を行える「単一パスポート」と呼ばれる制度がありますが、イギリスで認可を受けた金融機関は今後、事業が制限されるおそれがあります。
会社では「離脱交渉の行方を見守る必要はあるが、交渉の期限とされる再来年の3月には新たな拠点で事業を行えるよう早めの対策を進めたい」としています。
日本の金融機関では「三井住友銀行」や「野村ホールディングス」もフランクフルトを候補に、新たな拠点を設ける方向で検討を進めているほか、「三菱UFJフィナンシャル・グループ」はオランダのアムステルダムに証券事業の拠点を設ける方針を固めていて、イギリスのEU離脱に備えた対応が進んでいます。
-- NHK NEWS WEB