大手広告会社「電通」による違法残業事件で、おととし過労のため自殺した高橋まつりさんの当時の上司が検察の調べに対し「業務のやり直しを命じるなどした結果、違法な長時間労働をさせてしまった」などと説明していることが関係者への取材でわかりました。検察当局は来週にも法人としての「電通」を労働基準法違反の罪で略式起訴するものと見られます。
電通をめぐっては新入社員だった高橋まつりさん(当時24)がおととし過労のため自殺し、厚生労働省は社員に違法な長時間労働をさせたとして、去年からことしにかけて法人としての「電通」と高橋さんの当時の上司、それに大阪、名古屋、京都にある3つの支社の幹部を書類送検しました。
検察当局は関係者から任意で事情を聴くなどして捜査を進めていましたが、調べに対し高橋さんの当時の上司が「おととし10月以降、高橋さんが担当する業務量が急増し割り当てていた業務のやり直しを命じるなどした結果、違法な長時間労働をさせてしまった」などと説明していることが関係者への取材でわかりました。
また検察は電通の山本敏博社長からも任意で事情を聴き、社長は会社として責任を認めているということです。
このため検察当局は来週にも法人としての「電通」を労働基準法違反の罪で略式起訴するとともに、高橋さんの当時の上司や支社の幹部ついては起訴猶予にするものと見られます。
-- NHK NEWS WEB