国連は21世紀の終わりまでに世界の人口が112億人に達する一方、世界的に若年層の割合が減り、高齢化が進むとする報告書を公表し、各国が社会保障制度の充実などに取り組む重要性を指摘しました。
国連は21日、21世紀が終わる2100年までの世界人口の推移を予測した最新の報告書を公表しました。
それによりますと、アフリカ諸国でエイズなどの感染症で死亡する人が減ったり、乳幼児の死亡率が下がったりすることで、平均寿命が大幅に伸び、人口が倍増する国が相次ぎ、世界の人口は現在の76億人から2100年には112億人に増加するとしています。
一方で1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の平均は多くの国で減少する傾向にあり、出生率が最も高いアフリカ諸国でもすでに減少に転じていることから、2100年には世界的に若年層の割合が減るのに対して、60歳以上の人口は現在の3倍以上にあたる31億人に達するとしています。
このため、報告書は今後は各国の社会でより多くの高齢者を支えていかなければならなくなるとして、医療福祉や年金などの社会保障制度の充実に取り組むことが共通の課題だとしています。
-- NHK NEWS WEB