19年前、中米ニカラグアで日本人男性が死亡した事件で、殺人の罪で服役したあと、再審=裁判のやり直しを求めていた東京の男性について、現地の最高裁判所が無罪の判決を出したことがわかりました。男性は先月、病気のため亡くなっていて、遺族は「父が喜んでいる顔を見たかった」と話しています。
東京・江東区の貿易会社の元社長、服部重次さん(68)は19年前、ニカラグアで、会社の従業員だった当時69歳の日本人の男性を保険金目的で殺害したとして、現地の刑務所などに服役し、合わせて11年余りにわたって身柄を拘束されました。
帰国後、ニカラグアの最高裁判所に、再審=裁判のやり直しを求める申し立てを行い、「自分は被害者の保険金の受取人ではなく、裁判所の認定は誤りだ」などと主張しました。
服部さんの弁護士によりますと、現地の最高裁判所は「証拠が誤って分析されていた」などとして、服部さんを無罪とする判決を出し、2日朝に書面が届いたということです。
服部さんは、この知らせが届く前の先月5日に、すい臓がんのため東京都内の病院で亡くなったということです。
東京・霞が関で会見を開いた、服部さんの37歳の次女は「遺影に『お父さん無罪だったよ、やったよ!』と報告しました。父は無罪を勝ち取るまで弱音を吐かずに前だけ見て頑張っていたので、喜んでいる顔を見たかったです」と涙を流しながら話していました。
-- NHK NEWS WEB