日本の民間企業が本格的に宇宙ビジネスに参入しようと開発した超小型衛星が23日、インドのロケットで打ち上げられ、軌道の投入に成功しました。
軌道の投入に成功したのは、大手精密機器メーカーのキヤノンが開発した大きさおよそ50センチほど、重さ60キロほどの超小型衛星です。
この超小型衛星はインド政府のロケットに搭載され、日本時間23日午後1時ごろ、インド南部のアンドラプラデシュ州スリハリコタにある宇宙センターから打ち上げられました。
ロケットには、日本のほかドイツなど14か国から依頼を受けた超小型衛星とインドの観測衛星の合わせて31機が搭載され、総重量は955キロになります。
ロケットはおよそ16分で目的の上空およそ500キロに到達し、人工衛星すべてを放出して軌道に投入することに成功しました。打ち上げに成功したキヤノンの超小型衛星は、高度500キロから地上を撮影し、地上の1メートルの大きさのものを判別できます。
キヤノンは今後100機の衛星を製造し、撮影した画像や衛星自体を売り出す新たなビジネスを目指しています。自社で開発した衛星で新たな事業を興そうと宇宙分野に参入し実際に打ち上げるのは日本では初めてで、欧米などと比べて格段にコストが低いインドでの打ち上げを利用して、民間による宇宙開発が本格化しています。
-- NHK NEWS WEB