インドネシアの首都ジャカルタで、イスラム教を侮辱したとして在宅起訴されたキリスト教徒の知事に抗議する集会が開かれ、15万人以上が参加して、知事の身柄を拘束するよう求め、現地では混乱を避けるため臨時休業する日本企業も出ています。
ジャカルタのバスキ知事はことし9月、来年の知事選挙に向けた運動の中で、「あなた方はイスラム教の聖典コーランに惑わされているから、私に投票できない」と述べ、イスラム教を侮辱したとして、1日に地元の検察に宗教冒とくの罪で在宅起訴されました。
しかし、知事が身柄を拘束されなかったことから、これに反発する複数のイスラム団体が2日、ジャカルタ中心部の広場とその周辺で大規模な抗議集会を開きました。
地元の警察によりますと、参加者は15万人以上に上り、人々は知事が鉄格子の中にいる合成写真を掲げながら「知事をすぐに捕まえろ」などとシュプレヒコールを上げました。
抗議集会に参加した26歳の男性は「宗教を冒とくした者は、逮捕されて刑務所に入るべきです。われわれは抗議をしているわけではなく、ただ正義を求めているだけです」と話していました。
また、42歳の男性は「知事が侮辱したのは、私たちの生き方を導く聖典で、致命的な間違いです。知事が刑務所に入るまで声を上げ続けます」と話していました。
ジャカルタでは先月4日にもバスキ知事に抗議する10万人規模のデモが行われましたが、群衆に紛れてテロを実行しようとしたとして、過激派組織IS=イスラミックステートの支持者9人が逮捕されたことから、2日も会場周辺では警察官や兵士3万人以上が警戒に当たりました。
また、ジャカルタ中心部では混乱を避けるため臨時休業する日本企業も出ていて、今後、抗議活動が長期化し、企業活動への影響が広がることを懸念する声も出ています。
-- NHK NEWS WEB