去年、タイから強制送還された元弁護士が広島県の企業の株価を不正につり上げた罪に問われた事件の裁判で、さいたま地方裁判所は「手口は巧妙で悪質だ」として、執行猶予のついた懲役2年6か月の有罪判決と、およそ5億円の追徴金などを命じました。
元弁護士の椿康雄被告(63)は平成17年と18年、株の取り引きが活発なように見せかけて広島県の企業の株価を不正につり上げたとして、当時の証券取引法違反の罪に問われています。
椿元弁護士は事件が発覚した平成19年にタイに出国し、9年後の去年7月、首都・バンコクで現地の捜査当局に逮捕され、強制送還されました。
26日の判決で、さいたま地方裁判所の守下実裁判長は「名義の異なる複数の取引口座で株の売買を行い、発覚を困難にさせるなど手口は巧妙で悪質だ」と指摘しました。
そのうえで「相場操縦したきっかけはこの企業のために株価を上げようしたもので、当初から利益を得ることを目的にしていたとまでは認められない」として、執行猶予4年、懲役2年6か月の有罪判決と、罰金300万円、それにおよそ5億円の追徴金を命じました。
-- NHK NEWS WEB