JR博多駅前の道路が大規模に陥没した現場では、地下鉄工事を進めていた福岡市が、ことし8月、陥没の防止対策について、地盤に薬剤を注入する方法から多くの鋼管を打ち込む方法に変更していたことがわかり、こうした経緯についても今後、調査が進められるものと見られます。
陥没の原因となった市営地下鉄の延伸工事で、福岡市は当初、地上から周囲の地盤に特殊な薬剤を注入し、陥没を防ぎながらトンネルを掘り進めることにしていました。
しかし、工事を進める中で、建設会社から、下水管やガス管など地下の埋設物の配置が複雑なため、地上から薬剤を注入する方法は難しいと説明があったということです。
そして建設会社側から、トンネル上部に当初の計画の2倍に当たる本数の鋼管を打ち込み地盤の密度を上げることで、トンネルの強度を保つ方法に変更したいと提案があったということです。
このため福岡市は、ことし8月、専門家による委員会で意見を聞いたうえで方法を変更していました。
福岡市交通局は「専門家から助言を受け、トンネル上部から水が漏れてこないよう慎重に掘っていくという方針で施工方法を決めた」と話していて、こうした経緯についても今後、調査が進められるものと見られます。
-- NHK NEWS WEB