経営再建中の東芝は28日に株主総会を開き、昨年度の決算が報告できないなど、経営の混乱が続く状況に、株主からは厳しい意見が相次ぎました。
東芝の株主総会は午前10時から千葉市の幕張メッセで開かれ、およそ980人の株主が出席しました。
東芝を含め3月期決算の企業は、通常、この時期に開く定時の株主総会で昨年度の決算を報告しますが、東芝は、チェック役である監査法人の承認が得られず、決算を発表できない状況が続いています。
これについて、綱川智社長は「監査法人との協議に時間を要し、たび重なるご迷惑とご心配をかけていることを心からおわびしたい」と陳謝し、承認を得られしだい臨時の株主総会を開いて決算を報告することを説明しました。
これに対し、株主からは「一連の問題は社長だけに任せておけない状態なのに、社外の取締役は責任をどう考えているのか」といった意見が出されました。
また、半導体子会社を政府が主導するいわゆる“日米韓連合”に売却するための交渉について、綱川社長は「複数の当事者がいるため調整に時間がかかっている。なるべく早期に最終合意をしたい」と説明しました。
これに対し、株主からは、「ウエスタンデジタルと対立したままで大丈夫なのか」とか、「成長分野の半導体事業を売却するのは理解できない」、また、「連合の中に韓国の半導体メーカーが入っているが、技術流出の心配はないのか」といった意見や質問が出されました。
28日の株主総会では、昨年度の決算を報告する臨時株主総会までの間、今の経営陣が続投する取締役の選任案が賛成多数で可決され、3時間余りで終了しました。
-- NHK NEWS WEB