アメリカを訪問している韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、トランプ大統領との初めての首脳会談を前にアメリカとの経済関係について演説し「両国企業の活発な投資は、互いの雇用の創出にも大きく寄与している」と述べ、米韓のFTA=自由貿易協定の見直しを検討しているトランプ政権を間接的にけん制しました。
就任後初めての外国訪問としてアメリカ・ワシントンを訪れているムン・ジェイン大統領は28日、アメリカ商工会議所で演説し「政治の荒波と北のミサイル挑発といった困難の中でも、韓国経済に対する市場の信頼は確固としており、新政権の発足後、韓国証券市場は連日、最高値を更新している」と述べました。そのうえでムン大統領は「米韓両国の企業の活発な投資は、互いの雇用の創出にも大きく寄与している。韓国の自動車会社がアメリカの生産工場で投資と雇用を創出し、アメリカ有数の企業が韓国で産業革新と研究開発の雇用を生み出している」と指摘しました。
これはトランプ政権が韓国とのFTAを含むすべての貿易協定の見直しを検討していることを踏まえ、両国の投資や貿易における結びつきの深さを強調して間接的にけん制したものです。
29日と30日に行われる米韓首脳会談では北朝鮮が加速させている核・ミサイル開発の問題とともに、FTAをめぐっても意見が交わされる見通しです。
-- NHK NEWS WEB