アメリカ軍は、中国が実効支配し軍事拠点化を進めていると見られる南シナ海の西沙諸島の周辺で海軍の艦艇を航行させる「航行の自由」作戦を実施し、今後、中国側の反発が強まることも予想されます。
アメリカ政府の当局者によりますと、アメリカ軍は2日、中国が実効支配し、ベトナムと台湾も領有権を主張する南シナ海の西沙諸島、英語名パラセル諸島のトリトン島の周辺で「航行の自由」作戦を実施しました。
当局者によりますと、作戦ではミサイル駆逐艦「ステザム」が領海と同じ範囲の12海里の中を数時間航行し、この間、中国の艦艇に追跡されたということです。
民間のシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所によりますと、中国は、南沙諸島、英語名スプラトリー諸島での人工島の整備に加え、西沙諸島では、軍事施設の能力を高め部隊も配備するなど軍事拠点化を加速させていると見られています。
トランプ政権下でアメリカ軍が「航行の自由」作戦を実施するのは、ことし5月以来2回目です。トランプ政権の内部では中国の北朝鮮をめぐる対応が不十分だという不満が高まっていて、先週、北朝鮮と取引があるとする中国企業などへの制裁や台湾への武器の売却を相次いで発表しています。
今回の作戦の実施をアメリカ国防総省やアメリカ軍は公表していませんが、今後、中国側の反発が強まることも予想されます。
-- NHK NEWS WEB