大手広告会社「電通」による違法残業事件で、東京地方検察庁が6日までに法人としての「電通」を労働基準法違反の罪で略式起訴し、裁判所に罰金刑を求めたことが、関係者への取材でわかりました。一方、ともに書類送検された電通の本社や支社の複数の幹部については起訴猶予にしたということです。
電通をめぐっては、おととし、新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が過労のため自殺し、高橋さんを含む複数の社員に違法な長時間労働をさせていたとして、去年からことしにかけて、法人としての「電通」と高橋さんの当時の上司、それに、大阪、名古屋、京都にある3つの支社の幹部が書類送検されました。
東京地方検察庁は電通の山本敏博社長ら関係者から任意で事情を聴くなどして捜査を進めていましたが、6日までに法人としての電通を労働基準法違反の罪で略式起訴し、裁判所に罰金刑を求めたことが、関係者への取材でわかりました。
一方、関係者によりますと、高橋さんの当時の上司など、本社や支社の複数の幹部については、違法な残業をさせたと認定したうえで、違法性への認識が乏しいなどとして、いずれも起訴猶予にしたということです。
関係者によりますと、これまでの調べに対し、電通の山本社長は会社としての責任を認め、高橋さんの当時の上司も「業務のやり直しなどを命じた結果、違法な長時間労働をさせてしまった」などと説明していたということです。
-- NHK NEWS WEB