オーストラリア南部に世界最大規模の蓄電施設が建設されることになり、システムを提供する電気自動車メーカーのテスラは「100日以内に建設させる」と技術に自信を示しました。
電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスクCEOは7日、オーストラリア南部のアデレードで記者会見を開き、200キロ北方の町に建設される施設に出力100メガワットと世界最大規模の蓄電システムを提供すると発表しました。
施設は、風力発電所から出る余った電力を蓄え、夜間や非常時に電力を供給するようになっていて、マスクCEOは「これまで最大だった蓄電施設の3倍の規模になる。100日以内に完成できなければ、電力料金を無料にする」と述べて技術に自信を見せました。
アデレードがある南オーストラリア州は、風力発電などの再生可能エネルギーが発電量全体のおよそ50%を占めていますが、去年9月、面積が日本の2倍余りという州の全域が停電に見舞われ、電力の安定供給が大きな課題となっていました。
テスラは電気自動車のノウハウを生かして、最近は蓄電池の生産に力を入れていて、マスクCEOがことし3月、南オーストラリア州での蓄電施設の建設を提案していました。
オーストラリアは、豊富な石炭を使った火力発電への依存度が高く、今回の蓄電施設の稼働が軌道に乗れば、再生可能エネルギーの導入を求める声がさらに高まることも予想されます。
-- NHK NEWS WEB