経営再建中の東芝が進める半導体事業の売却交渉について、差し止めを求めてアメリカの裁判所に申し立てを行ったアメリカのメーカー、ウエスタンデジタルはこの事業で東芝と提携している自社の同意のない売却は認められないと改めて表明しました。
東芝は経営の再建に向けて、半導体事業を日米のファンドや韓国の半導体メーカーなどで作る“日米韓連合”に売却する交渉を進めています。
しかし、この事業で東芝と提携しているアメリカのウエスタンデジタルは、「みずからの同意なしには第三者に売却することは認められず、同意権を侵害している」として、先月、カリフォルニア州上級裁判所に対し、売却の手続きについて、日本の仮処分に近い「予備的差し止め」を求める申し立てを行いました。
東芝は、先月30日付けで、東芝の主要事業は日本にあり、カリフォルニアの裁判所は管轄外で、事業の売却は来年の初頭までかかり、予備的差し止めを求める緊急性はないなどとした反論書を裁判所に提出しました。
これに対してウエスタンデジタルは7日、自社の同意のない売却は認められないとして、改めて裁判所に書類を出しました。具体的には東芝との提携交渉の一部はカリフォルニアで行われたため州の裁判所の管轄であり、事業の売却が来年の初頭までかかるというのは東芝の推測にすぎないとしたうえで、“日米韓連合”に競争相手の韓国の半導体メーカーが含まれることは技術流出のリスクがあるなどと主張しています。
カリフォルニア州上級裁判所は、今月14日に双方の意見を聴く法廷審問を行う予定で、裁判所の判断によっては、東芝の半導体事業の売却交渉に影響することも予想されます。
-- NHK NEWS WEB