安倍総理大臣は日本時間の8日夜、訪問先のドイツでアメリカのトランプ大統領と会談し、北朝鮮に対する圧力を強めていくため緊密に連携していくことで一致しました。一方、会談ではトランプ大統領が対日貿易赤字は巨額に上り、相互に利益のある貿易関係が重要だと指摘したのに対し、安倍総理大臣は日米経済対話の場を通じて建設的に議論していきたいという考えを示しました。
G20サミットへの出席でドイツを訪れていた安倍総理大臣は、日本時間の8日午後10時前から、およそ30分間にわたり、トランプ大統領との日米首脳会談に臨みました。
安倍総理大臣がトランプ大統領と個別に会談するのは、ことし5月にイタリアで開かれたG7サミット=主要7か国首脳会議に合わせて行われて以来3回目で、冒頭、トランプ大統領は「安倍総理大臣とは北朝鮮問題を中心に議論してきたが、北朝鮮の核・ミサイルは大きな脅威であり、引き続き議論を続けていきたい」と述べました。
これに対し、安倍総理大臣は「G20サミットの締めくくりに会談できてうれしい。北朝鮮を含む地域の安全保障環境は一層厳しい。国際社会が直面する課題を議論し、強固な日米関係の姿を世界に示したい」と述べました。
そして安倍総理大臣は「北朝鮮に対する圧力を一段階引き上げる必要がある。先日の日米韓首脳会談で一致した立場を確認したことは有意義だった」と述べ、両首脳は北朝鮮に対する圧力を強めていくため、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
さらに両首脳は、両首脳間の絆と日米同盟が地域と世界の繁栄に貢献していくという認識でも一致しました。
また、安倍総理大臣が、日中関係について正しい道筋に戻りつつあると説明したのに対し、トランプ大統領は「安定した日中関係は地域の平和と安定に資するので歓迎する」と応じました。
一方、日米の経済関係をめぐって、トランプ大統領は「日本に対する貿易赤字が巨額に上っている。相互に利益のある貿易関係が重要だ」と指摘しました。
これに対し安倍総理大臣は「年内に開催予定の麻生副総理とペンス副大統領による日米経済対話で、今後も建設的な議論を行いたい。日本企業の新規投資は活発になっており、日米がウインウインの経済関係を一層深めていくために、しっかりと議論していきたい」と述べました。
最後に、安倍総理大臣は「トランプ大統領の日本訪問を楽しみにしている」と述べたのに対し、トランプ大統領も「早期に訪日することを楽しみにしている」と応じました。
-- NHK NEWS WEB