国内の新車市場でセダンの販売が減少する中、トヨタ自動車が海外で人気の主力車を6年ぶりに刷新して発売するなど、自動車メーカーの間でセダンをてこ入れする動きが相次いでいます。
トヨタは10日に都内で、主力のセダン「カムリ」の新型車を発表しました。この車は、アメリカを中心にこれまでに世界全体でおよそ1900万台を販売したトヨタの主力車種ですが、国内での販売はこのところ低迷しています。
そこで新型車では、走行性能や燃費を向上させたほか、自動ブレーキなどの安全装備を新たに搭載したということで、日本ではこれまでの4倍以上の年間2万8000台余りを販売したいとしています。
セダンは車を開発する際の基本型で、トヨタではその性能を高めることでSUV=多目的スポーツ車などの開発に生かしていきたいとしています。
吉田守孝専務は記者会見で「セダンは走りも乗り心地も燃費もよいということをアピールし、“セダンの復権”を目指したい」と話していました。
日本自動車工業会によりますと、乗用車の保有台数に占めるセダンの割合は、去年3月の時点で10年前より10ポイント低下して13%にとどまり、セダン離れが進んでいます。
こうした中、ホンダもかつて人気を集めた「シビック」でセダンの新型車をことしの秋に国内でも発売する予定で、自動車メーカーの間でセダンをてこ入れする動きが相次いでいます。
-- NHK NEWS WEB