原発事故による避難指示がことし7月に解除された福島県の南相馬市小高区で、5日、5年9か月ぶりに銀行の店舗が営業を再開しました。
南相馬市小高区で営業を再開したのは、福島市に本店を置く東邦銀行の小高支店です。
5日は、営業再開に先立って記念の式典が開かれ、東邦銀行の北村清士頭取が「小高区の復興や成長の背中を押す役割を果たしていきたい」と述べ、テープにはさみを入れました。
このあと午前9時に営業が始まると、早速、地元の住民が訪れて窓口で振り込みの手続きなどをしていました。
南相馬市によりますと、ことし7月に原発事故による避難指示が解除された小高区では、先月末の時点ですべての住民の10.6%にあたる1010人が戻り、85の事業所が営業を再開しました。
銀行は、今後も小高区で事業再開が見込めるなどとして、およそ5年9か月ぶりの営業再開を決めたということで、地元企業の支援など復興を後押しする役割が期待されています。
小高区から市内の別の地域に避難している78歳の男性は「地元に銀行がなく不便でしたが、これからは楽になります」と話していました。また、小高区出身の23歳の女性行員は「小高が好きなので、戻って来られてうれしいです。皆さんの心のよりどころとなるような銀行を目指したいです」と話していました。
-- NHK NEWS WEB