インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の取引所の1つで3年前に経営破綻したマウントゴックスの社長が、3億円余りを着服した罪などに問われている裁判が始まり、社長は「不正はしていない」として無罪を主張しました。
ビットコインの取り引きを仲介していたマウントゴックスの社長、マルク・カルプレス被告(32)は、平成25年に顧客の資金3億円余りを別の口座に送金して着服した業務上横領などの罪や、会社のシステムを不正に操作した罪に問われています。
東京地方裁判所で開かれた初公判でカルプレス社長は、書面を読み上げ、「不正にデータを操作したり顧客のお金を不正に使ったりしたことはありません」などとして無罪を主張しました。
また、「多くの顧客にご迷惑をおかけしました」と謝罪したうえで、会社の経営破綻は裁判で罪に問われていることとは関係がないと主張しました。
検察は、顧客の資金を着服したと指摘した一方で、裁判所に認められない場合に備えて、会社の資金を着服したという主張や、着服していないとしても会社に損害を与えた特別背任の罪にあたるという主張を追加する異例の対応をとりました。
マウントゴックスは、外部からの不正なアクセスによって大量のビットコインを失ったとして平成26年に経営破綻し、東京地裁で破産手続きが進められています。
-- NHK NEWS WEB