東芝の去年4月から12月までの決算をめぐり、「PwCあらた監査法人」が、内容を承認せず、結論を示さない「意見不表明」という異例の判断をしたことについて、日本公認会計士協会は、監査法人の対応に問題がなかったか、調査していることを明らかにしました。
経営再建中の東芝は、アメリカの原子力事業の会計処理をめぐって、去年4月から12月までの決算発表を2度にわたって延期したうえで、ことし4月に発表しましたが、その際、「PwCあらた監査法人」は、決算内容を承認せず、結論を示さない「意見不表明」という異例の判断をしました。
これについて、監査法人などでつくる日本公認会計士協会の関根愛子会長は、13日の記者会見で、「意見を表明しないまま監査の報告書を提出するのは非常にまれなことで、重く受け止めている。資本市場に大きな影響を及ぼすので、会社と監査法人が努力して適正な意見が表明されることが大事だと思う」と述べました。
そのうえで、「PwCあらた監査法人」による監査の手続きや判断などに問題がなかったか、協会として調査していることを明らかにしました。
一方、協会は、おととし発覚した東芝の不正会計問題で、当時、監査を担当していた「新日本監査法人」に対し、十分な監査を行っていなかったとして、13日から2か月間、協会の会員としての権利を停止する懲戒処分を出しました。
監査業務に影響はないものの、会長に意見を述べる活動などができなくなるということで、新日本監査法人は「厳粛に受け止め、信頼回復に努める」としています。
-- NHK NEWS WEB