通帳を盗まれたり無くしたりした人の口座が、知らない間に振り込め詐欺などの犯罪グループに悪用され、口座凍結の措置が取られた結果、日常生活に差し支えるケースが出ているとして、大阪の弁護士などの団体が銀行協会などに近く抗議文を提出することになりました。
銀行口座が振り込め詐欺などの犯罪に悪用されたことがわかった場合、金融機関側が引き出しなどをできなくする口座凍結の措置を取り、名義人が新たに口座を開くことも難しくなります。
大阪の弁護士や司法書士などでつくる、ヤミ金融の被害者らを支援する団体によりますと、この口座凍結の措置が知らない間に行われたという相談が、去年、全国からおよそ50件寄せられ、詳しく調べたところ通帳を盗まれたり無くした人が含まれていたということです。
中には、給与のほか年金や奨学金の振り込みが受けられないなど、日常生活に差し支えるケースもあったということです。
団体は去年10月、全国銀行協会などに対し、口座凍結の運用を改善するよう申し入れましたが応じられていないとして、近く銀行協会などに抗議文を提出することになりました。
団体のメンバーで司法書士の前田勝範さんは「現状の運用では無実の人が救われず、真剣に見直しを考えてほしい」と話しています。
一方、全国銀行協会は「口座凍結の運用方法は改善を協議していて、すでに改善した点もある。具体的な内容は犯罪対策に関わることなので明らかにできない」としています。
-- NHK NEWS WEB