東芝が進める“日米韓連合”への半導体事業の売却について、産業革新機構の志賀会長は記者団に対し、交渉は最終段階に来ているものの、対立するアメリカのウエスタンデジタルが交渉の差し止めを申し立てた裁判所の判断によっては、今後交渉に影響が及ぶ可能性があるという認識を示しました。
東芝は、経営再建に向けて、半導体事業を産業革新機構を中心にアメリカの投資ファンドや韓国の半導体メーカーなどが参加する“日米韓連合”に売却する交渉を優先的に進めていますが、最終合意が当初の予定より遅れる事態となっています。
こうした中、産業革新機構の志賀会長は14日、記者団に対し「売却交渉は相当煮詰まっている」と述べ、交渉が最終段階に来ているという認識を示しました。
ただ東芝と対立するアメリカのウエスタンデジタルが交渉の差し止めを申し立てたカリフォルニア州上級裁判所が、14日に双方の弁護士から意見を聞く法廷審問を行うことを踏まえて、「裁判所が差し止めの判断をした場合は交渉に影響しないとは言い切れない」と述べ、裁判所の判断によっては売却交渉に影響が及ぶ可能性があるという認識を示しました。
一方、機構が東芝の再建に公的な資金を投じることについて、志賀会長は「事業の成長性や技術の革新性があるうえ雇用を生んでおり、半導体の技術は日本に残して進化させるべきだ。東芝を救済するわけではない」と述べ、出資の妥当性を強調しました。
-- NHK NEWS WEB