市場の移転問題で、豊洲市場の敷地内に整備される予定の観光施設の運営会社が、築地も観光拠点として再開発されれば撤退せざるをえないという意向を示していることについて、東京都の小池知事は、豊洲に観光施設は必要だとしたうえで、会社側に丁寧に説明していく考えを示しました。
東京都は、豊洲市場の敷地内に「千客万来施設」という食文化を発信する観光施設をオープンさせる計画ですが、施設の整備・運営にあたる会社は、小池知事が築地を食のテーマパークとして再開発する基本方針を示したことを受け、事業の前提条件が変更され、撤退せざるをえないとする意向を示しています。
これについて、小池知事は記者会見で、「千客万来施設が豊洲の活気やにぎわいを生み出すのに必要な施設という認識は変わっていない。事業者には計画どおり、豊洲での事業を展開していただきたく、誠意を持って説明し、対応するよう市場当局に指示した」と述べ、豊洲に観光施設は必要だとしたうえで、会社側に丁寧に説明していく考えを示しました。
そして、今後の市場移転について「タイムスケジュールの最優先は豊洲市場の安全性のさらなる確保だ。まずは豊洲の移転を確実に行い、次に築地を生かして何をどのようにしていくか検討している。築地は東京オリンピックのデポ=輸送拠点に使っていくことになり、再開発は、若干、時間的なラグ=ずれが生じる」と述べました。
そのうえで、豊洲市場の追加対策工事について「予算が必要になってくるので今後、詰めていく」と述べ、工事の費用を盛り込んだ補正予算案の都議会への提出を検討する考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB