中国は金融に関する重要会議を開き、現在、縦割りになっている銀行や証券会社などを監督する官庁の機能を横断的につなぐ新たな組織を設け、不正な資金の流れを監視する体制を強める方針を決めました。
中国国営の中国中央テレビによりますと、習近平指導部は15日までの2日間、北京で5年ぶりとなる金融に関する重要会議、「全国金融工作会議」を開きました。
この中で習主席は、政府内に「金融安定発展委員会」を設け、現在、縦割りになっている銀行や証券会社などを監督する複数の官庁の機能を横断的につなぐ方針を示しました。
中国では、規制を逃れるため業界をまたぐような複雑な金融商品を作る「シャドーバンキング」から得た資金を、地方政府などが不動産事業や投機的な取り引きなどに充てることが問題となっていて、指導部としては不正な資金の流れを監視する体制を強め、こうした問題に適切に対処する狙いがあると見られます。
このほか会議では、国有企業が抱えるばく大な負債を減らすことや、赤字続きでありながら地元当局が支援して経営を続けるいわゆる「ゾンビ企業」の処理を進めること、それに金融リスクを見逃した担当者を厳しく処分する方針も決め、金融システムの安定を一層重視するとしています。
-- NHK NEWS WEB