人口減少などの影響により空き家や空き地が増え、都市がいわば「スポンジ」のように空洞化しているとして、国土交通省は空いた建物や土地の取り引きを活発化させる対策などを検討することになりました。
国土交通省などによりますと、全国の空き家は平成25年の時点でおよそ820万戸と、10年間で24%増えるなど、有効に利用されていない建物や土地が都市のあちらこちらに存在し、いわば「スポンジ」のように空洞化が進んでいるとしています。
このため、国土交通省は専門家の委員会を設けて今後の対策の方向性をまとめました。この中で、価格が安い空き家や空き地は仲介手数料も安く、不動産会社が敬遠しがちで取り引きが進まない現状があるとして、自治体が所有者と購入希望者を仲介する仕組みづくりが必要だとしています。
また、空き家の所有者が建物を取り壊す際に自治体が金銭面での支援を行うことも検討すべきとしています。
このほか、住民の生活に欠かせない病院やデパートなどが中心市街地から撤退する場合、事前に自治体に届け出ることを義務づけ、自治体側が撤退をとどまるよう働きかけたり別の事業者を探したりする期間を確保する必要があるなどとしています。
国土交通省は、今年度中をめどに必要な法制度や財政支援の制度をまとめることにしています。
-- NHK NEWS WEB