真夏の炎天下でも屋外での作業が必要な職場で、熱中症の対策に役立ててもらおうと、危険性が高まっていると判断すると振動などで知らせる、腕時計型の端末が開発されました。
熱中症を防ぐという腕時計型の端末は、建設工事や警備、それに農作業など、真夏の炎天下でも屋外で作業をする職場向けに大手電機メーカーが開発しました。
この端末を腕に着けると、心拍数や運動量、それに周辺の気温や湿度などを７つのセンサーで感知してデータとして蓄積します。そして熱中症にかかる危険性が高まっていると判断すると端末が振動して本人に知らせます。さらにオフィスにいる上司のパソコンやスマートフォンなどにも危険の度合いを４段階に分けて通知し、休憩や水分補給などの対策を促すことができる仕組みです。
このシステムにはＡＩ＝人工知能が使われ、事前に学習した危険性と端末で集めた個人ごとのデータを掛け合わせることで判断の精度を高めているということです。
端末を開発したメーカーの川崎市の工場では、先月から警備員の熱中症対策にこの端末を導入していて、今月末から企業向けに販売する予定だということです。
工場で警備員を務める６３歳の男性は「午前中は日陰がなく暑いので、端末を着けていれば何かあった時にすぐにわかるので安心です」と話していました。
端末を開発した「富士通」の北村卓也さんは「端末を使ってデータを集めることで一人一人に合った熱中症対策を取ることができるようになると思う」と話しています。
-- NHK NEWS WEB
