創業家の反対で「昭和シェル石油」との合併協議が難航している「出光興産」は20日、株式をこれまでより30%増やす公募増資を実施しました。これにより創業家側の株式の比率は株主総会で合併を否決できる3分の1を下回り、合併に向けた手続きが進む見通しになりました。
石油元売り大手の出光興産は、昭和シェル石油との合併協議が大株主である創業家の反対で難航し、ことし4月に予定していた合併が延期になっています。
こうした中、会社側が計画した公募増資に対し、創業家が差し止めを求める仮処分を申し立てましたが、19日東京高等裁判所がこれを退けたことを受けて、会社側は20日、公募増資を実施しました。増資により出光興産の株式がこれまでより30%増えた結果、創業家側が持つ株式の比率が26%程度まで低下し、株主総会で合併を否決できる3分の1を下回ったことから、合併に向けた手続きが進む見通しになりました。
出光興産では合併を決議するため、今後、臨時の株主総会を招集することになりますが、「創業家の説得を続ける考えに変わりはない」として、引き続き、創業家に理解を求めていくことにしています。
-- NHK NEWS WEB