ことし5月、点検車両の脱線事故があった「わたらせ渓谷鉄道」は、木製の枕木が劣化しレールと枕木を固定する金具に緩みがあったことが事故につながった可能性があるとして、事故が起きた区間に耐久性の高いコンクリート製の枕木を重点的に導入し安全対策を進めることになりました。
群馬県と栃木県を結ぶ「わたらせ渓谷鉄道」はことし5月22日、群馬県桐生市の駅近くで点検車両が脱線し、18日間にわたりほとんどの区間で運休しました。
事故を受けて「わたらせ渓谷鉄道」で安全点検を行った結果、木製の枕木400本余りが劣化し、レールを枕木に固定する金具に緩みがあったことがわかったということです。
これらは応急処置で新たな木製の枕木に交換されていますが、鉄道会社では枕木の劣化が事故につながった可能性があると見て、事故が起きた区間を中心に耐久性の高いコンクリート製の枕木を導入する方針を固めました。
事故が起きた区間では100本の枕木を交換して重点的に対策を進める方針で、9月から工事を始める予定です。
今回の事故をめぐっては国の運輸安全委員会が詳しい事故原因の調査を続けています。
わたらせ渓谷鉄道の樺沢豊社長は「国の事故原因の調査が完了したら、さらなる安全対策も検討していきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB