北朝鮮がICBM=大陸間弾道ミサイルだとして発射実験を実施したことについて、ロシアの国連代表部が21日、安全保障理事会のメンバー国に書簡を送り、発射したのはICBMではなく中距離ミサイルだと主張していたことがわかり、安保理が一致した行動をとることがより難しくなっています。
北朝鮮が今月4日にICBMだとして発射実験を実施したのを受けて、国連の安全保障理事会は6日緊急の会合を開いて北朝鮮への追加制裁に言及した非難声明を発表しようとしましたが、ロシアが「ミサイルはICBMではなく中距離ミサイルだ」と主張して見送られました。
ロシアの国連代表部は21日安全保障理事会のメンバー国に書簡を送り、北朝鮮が発射したミサイルの分析結果としてICBMではなく中距離ミサイルだと改めて主張する書簡を送付したことが国連外交筋の話でわかりました。また北朝鮮への追加制裁をめぐって、水面下でアメリカと協議を続けている中国の国連代表部は、制裁への協力を求めるアメリカ側が「中国の企業にも制裁をかけながら協力を求めるのは筋違いだ」と反発して難航しているということです。
北朝鮮に影響力を持つロシアがミサイルの種類を持ち出して追加制裁に否定的な主張を強めていることや、制裁履行の鍵を握る中国がアメリカに反発していることから、安保理が一致した行動をとることはより難しくなっていると言えそうです。
-- NHK NEWS WEB