人手不足が深刻化している運送業界で、利用が広がっている大型の台車などを原因とする労災事故が去年1年間で980件余り起き、この10年間で1.5倍と急増していることがわかりました。専門家は「経験の浅い作業員が事故にあうケースが多く、安全教育の徹底が必要だ」と指摘しています。
運送業界の労災事故についてNHKが分析したところ、4日以上の休業を伴う労災事故は年間1万3000件余りと、この10年間ほぼ横ばいで推移していました。
ところがその内訳を詳しく調べてみると、大型の台車などの「人力運搬機」による事故が去年1年間で全国で986件起き、この10年間で1.5倍と急増していることがわかりました。
運送業の労災事故に詳しい専門家によりますと、その多くは人手不足の対策の一つとして利用が広がる「ロールボックスパレット」と呼ばれる大型の台車によるものだということです。このうち、ことし3月には東京・千代田区にある大手宅配会社の事業所でこの大型の台車が倒れて、作業していた男性1人が下敷きになり死亡する事故も起きています。
-- NHK NEWS WEB