今月、関西空港に到着した国際線の旅客機のトイレで金塊が隠されているのが見つかったことを受けて航空会社が調べたところ、ほかにも4機の機体でトイレの壁のパネルが外しやすいよう細工した痕跡があったことが、航空関係者への取材でわかりました。航空各社と税関は国際線から国内線に切り替わる旅客機内にいったん金塊を隠し国内の空港から密輸しようとする新たな手口ではないかとみて警戒を強めています。
今月9日、台湾から関西空港に到着したLCC=格安航空会社のバニラ・エアの旅客機内で、トイレの壁の裏側から6つのポーチに入った数十キロの金塊が見つかり何者かが壁のパネルを外して隠したと見られています。
バニラ・エアが所有するほかの11機の機体を点検したところ、新たに4機でトイレの壁のパネルが外しやすいようネジに細工するなどの痕跡が見つかっていたことが航空関係者への取材でわかりました。一部の機体ではパネルがわずかにずれていたということです。
バニラ・エアによりますと、台湾から関西空港に到着した機体は通常、次のフライトでは国内線に使われるということで、航空各社と税関は何者かが旅客機内にいったん金塊を隠したうえで税関の検査のない国内の空港から密輸しようとする新たな手口ではないかとみて警戒を強めています。
金塊を国内に持ち込む際には税関に申告して取引価格にかかる消費税を納める必要がありますが、密輸して売却すると消費税分が利益となるため金塊の密輸が相次いでいます。
財務省によりますと、去年6月までの1年間に全国で294件が摘発されています。バニラ・エアは「現在はすべての機体で対策を施し、壁は正常に固定されており飛行の安全性にも問題はない。今後、機内の監視を強化したい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB