海外事業の拡大を目指す経営再建中のシャープは、去年、撤退したアメリカの液晶テレビ市場に、来年度にも改めて参入することになりました。
シャープは去年1月、国内外での液晶テレビ事業のうち採算が悪化していたアメリカをはじめ、カナダや中南米の大半の国の市場から撤退し、アクオスなどのブランドを中国の家電メーカーの「ハイセンス」に供与しました。その後、去年8月に台湾のホンハイ精密工業の傘下に入って、海外での液晶テレビ事業を拡大する方針に転換し、ハイセンスからブランドを買い戻す交渉を進めてきましたが、交渉は難航しています。
こうした中シャープは、新しいブランドを立ち上げて、来年度にもアメリカの液晶テレビ市場に改めて参入する方針を明らかにしました。販売するテレビは60インチ以上の大型の機種で、ホンハイの工場で製造するということです。
シャープは、ホンハイの豊富な資金力を背景にこれまでの構造改革から事業の拡大を目指す方針に転換していて、アメリカ市場への再参入もその一環です。
-- NHK NEWS WEB