23日までの記録的な大雨で浸水した秋田県大仙市の老舗の酒造会社では、設備が水につかり故障するなどの被害が出ていて、復旧作業に追われています。
大仙市南外にある大正2年創業の酒造会社、「出羽鶴酒造」では、23日の未明ごろ、近くの川の水があふれて酒蔵の中まで泥水が入り込み、高いところでは1メートル20センチほどまで水につかりました。
会社によりますと、浸水で精米機や水をくみ上げるポンプなど多くの設備が故障したほか、日本酒を10年以上熟成させた古酒の一升瓶およそ600本も水につかり、出荷できなくなったということです。
25日は午前中から酒造会社の従業員が床に残った泥水をかき出したり、設備の点検をしたりしていました。
また、地元のコメを使った純米酒およそ1500リットルを仕込んでいたタンクでは、酒の温度を管理する機械が故障したため、急きょ別の機械をタンクに入れて温度を下げる処置を取るとともに、このまま仕込みを続けられるかどうか酒の状態を確認していました。
出羽鶴酒造の伊藤洋平専務は「過去にも水につかる被害が出たことはあったが、ここまでの規模は経験したことがなく、自然の恐ろしさを感じた。これからの酒造りに影響が出ないよう、復旧を急ぎたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB