戦時中、日本の炭鉱で働かされた朝鮮半島出身の徴用工を題材にした映画が26日から韓国で公開され、日本との過去の歴史問題をめぐって否定的な世論が高まることも予想されます。
韓国映画の最新作「軍艦島」は、終戦間際、長崎市の「端島炭坑」で旧日本軍が過酷な労働を強いていた朝鮮半島出身の徴用工など400人の存在を隠すため、坑内に閉じ込めて爆殺する計画を立てたところ、これを察知した徴用工たちが脱出を試みるというストーリーです。
この映画について、韓国メディアは、韓国の人気俳優が熱演を繰り広げていることなどからヒット作になる見込みだと伝えていて、公開初日の26日、ソウル市内の映画館には親子連れや若者など大勢の観客が訪れていました。
このうち20代の女性は「映画を見て胸が痛くなった。軍艦島で起きたことについてまだ明らかになっていないこともあると思う」と話していました。
また、50代の男性は「韓国人としてこれまで深く考えていなかったことを考えさせられた。被害者の心の痛みはなくならないが、日本政府からの十分な謝罪が必要だ」と話していました。
韓国では戦時中、日本の炭鉱で働かされた元徴用工やその遺族が日本企業を相手取って損害賠償を求める訴えを相次いで起こしており、映画「軍艦島」の公開によって日本との過去の歴史問題をめぐって否定的な世論が高まることも予想されます。
-- NHK NEWS WEB