大手機械メーカーの三菱重工業は、130年余りの歴史を持つ造船事業を立て直すため、ほかの造船会社との提携などを進めやすいよう会社本体から切り離し、分社化をすることを正式に決めました。
三菱重工の造船事業は、明治時代に会社設立のきっかけとなったいわゆる祖業と言われる事業で、130年を超える歴史を持ちます。
しかし、中国や韓国の造船会社との建造競争が激しくなる中、受注した船の設計のやり直しなどで、昨年度までに総額2700億円を超える損失を出したことから、長崎造船所での大型客船の建造からの撤退を決め、事業の見直しを進めています。
三菱重工では抜本的な立て直しのためには、造船事業の責任を明確にし、他社と提携しやすくする必要があるとして、会社本体から切り離す分社化を31日に正式に決めました。
分社化した新しい造船会社は、来年1月1日付けで設立し、今後は、商船などの設計や開発を事業の中心に据えることにしています。
さらに、すでに提携を決めている今治造船や大島造船所、名村造船所のほかの国内大手の造船会社と、部品の共同購入などを進めてコストの削減を進める計画です。三菱重工にとって、今回の分社化によって造船事業を速やかに立て直すことができるかが大きな課題となっています。
-- NHK NEWS WEB